未定

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2018年7月以前の記事(アメブロ):https://ameblo.jp/kumai-3







【舞台感想】カラスカ公演『クロスミッション』~十字架ミッション編~

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カラスカの2作品同時公演の両方を観てきました。
千秋楽から3週間ほど経ってますが。

時系列でいくと、『交差ミッション』から『十字架ミッション』という流れになります。
公演表上でいくと、A公演・B公演の順ですね。
まとめて感想を書きたいところですが、恐らく長くなるのでミッションごとに分ける事にしました。
なお、あらすじは公演パンフレットの裏面を参照してください。


十字架ミッションは、交差ミッションの後の話になります。
交差ミッションでは、『ゴッド・オブ・ゴッド』の結果、加々美桐斗が新しい教祖となることが決定しました。
宗教団体『クロスクロイツ』では、入信した際に洗礼ネームが与えられます。
桐斗は『キリトール』という名前で、教団内の活動を行っていました。

そのキリトールがある日から失踪してしまったわけです。
姿を消すことは過去にもあったようですが、今は降誕祭が間近に迫っている時期。
その大事な時に教祖のキリトールが居ないとなると、教団内では大問題になってしまいます。
幸い、この事実を知っているのは、教団の幹部のみで一般信者には知られていない事です。
しかし、もし一般信者に知られてしまったら、一般信者は「自分たちは教祖に見捨てられた」と思い込み、最悪の場合は命を絶つ人も出てしまう……。
そんな状況を何としてでも回避したい慶介と佐織が目を付けたのが、見た目がそっくりな良平でした。
シングルキャストで役名が違うのは、こういう理由があるからです。

ここからは教団内の話になるので、まずは一部の人の洗礼ネームと簡単なプロフィール的なものを書いておきます。


○葛城良平

キリトールかと見間違えるほど似ている人物。
キリトールとの違いは髪型と言葉遣いくらい。
良平はオールバック的なものに対し、桐斗は前髪の一筋を前に垂らしていました。

借金の肩代わりという甘い言葉に誘われ、偽キリトールを演じることになる。


○石丸慶介
洗礼ネームは『ウタマーロ』
ミュージカル俳優をやっていて、公演が無い時に桐斗を手伝う形で教団に出入りしていた模様。


○神代佐織

洗礼ネームは『サオリータ』
『クロスクロイツ』では幹部であり、シスター的存在の模様。
ウタマーロと一緒に、キリトールの行方を捜しつつ、良平に偽キリトールになるようにお願いした。


○司馬清忠

洗礼ネームは『シバール』
教団の幹部であり、キリトールの態度に不満を感じていた。
教団内ではキリトールに続いてナンバー2と言われている。


○島村久美

洗礼ネームは『クミーラ』
ナンバー2のシバールの傍に仕えている。


○不知火霞

教団の誰かに呼ばれて『クロスクロイツ』に入り込んだ。
『交差ミッション』で『ゴッド・オブ・ゴッド』に参加したのも、誰かに呼ばれたからのようで。
心を奪ったキリトールを探しているところ、敵対するシバール側にいるクミーラに声を掛けられ、勝負の協力をすることになった。


さて、教団内に戻ったサオリータとウタマーロは、シバールとクミーラと遭遇します。
シバールは「キリトールが姿を消したのではないか」という疑いをかけるが、良平が扮した偽キリトールの姿を見て、キリトールが居ると信じてしまう。
シバールの目的は、教祖になること。そして、信者からお布施を今よりもっと貰うようにすること。
現状は基本的に月額3,500円を信者から受け取っているが、シバールはそれ以上の資金を得ようと考えていた。
キリトールが居なくなったと知った時、このまま教祖が不在では教団としては困る。新しい教祖を早急に決めなければ。
そういう流れにもっていけば、自分が教祖になることが出来ると思っていた。
ところが、キリトールが現れてしまった。このままでは、自分が教祖になる術が遠のいてしまう。

そこでシバールは、キリトールに対して勝負を挑むことにします。
勝負は『特定信者』に指定された信者を、より多く救うこと。
『特定信者』は、一般の信者よりも心の闇が深く、より一層の救いを求めている信者のこと。
偽キリトールは良くわからないものの、「売られた喧嘩は買うしかない」という勢いで勝負を受けることになります。


ここからは特定信者に指定された人物の紹介をします。


○松岡もなみ
○松岡美亜

洗礼ネームは、もなみが『モーニャ』、美亜が『ミアンカ』
2人の姉妹は父親から日常的に暴力を振るわれていました。
その父親からの暴力は辛く、生きていく希望を失いかけていました。
その時に、道端に捨てられていたあるロールプレイングゲームを見つけます。
2人は父親に見つからないよう、こっそりとそのゲームで遊んでいました。
ゲームは非常に楽しく、自分たちもゲームの世界の人のように、自由に冒険がしたい。
そう思うようになったそうです。
そのため、教団内ではモーニャが踊り子、ミアンカがエルフという事になっています。


○神田武雄

洗礼ネームは『カンダタ
親の陰謀により、モンスターだと洗脳させられ続け、最終的には生物兵器にさせられるところでした。
ところがその計画が破綻し、親は逮捕されてしまいます。
中途半端に洗脳されたカンダタが教団に送られ、モーニャ・ミアンカに「モンスターならもっとモンスターらしくしなきゃ」と言われ。
とあるモンスターのコスプレをするようになりました。


○雨宮一郎

洗礼ネームは『スコール』
教団に送られた時から「我が名はスコール」と言っていたため、そのまま洗礼ネームになったそうです。
スコールは、ある日突然失われた息子を復活させるため、エクスポーションを探しているとのこと。
ただ闇雲に探しても、誰も渡してくれない。
もっと強くなければならない。
そしていつの日か、勇者のコスプレをするようになりました。


ここまでがドラ○エチームと呼ばれる特定信者です。
そしてこの他にも


○旭山多磨子

洗礼ネームは『タマーラ』
さいころから山奥に住む祖父と暮らしていたタマーラ。
祖父が極度の人間嫌いであったため、他人との接触が無いまま大きくなりました。
祖父が居なくなり、施設に預けられたのですが、施設での扱いが悪く、タマーラは人間嫌いになってしまいました。
その結果、まるで野生児のような子になってしまったのです。


○百合川真理央

洗礼ネームは『ウサンクサイン』
微妙ながら超能力が使えるらしく、かなりの人間不信になっていました。
使える能力は相手の身体を操る能力、心を透視する能力、どこへでも瞬時に移動できる能力の3つ。
しかし、身体を操るといっても身体の一部分しか操ることが出来ず、心を透視できるのも女性だけ、瞬時に移動した後は必ず息が切れているといった胡散臭いところがありました。
そのためについた洗礼ネームが『ウサンクサイン』です。
ウサンクサインは常に「僕を怒らせるな。怒らせたら自分の力が制御出来なくなる」と言い、「みんな僕の力を欲しがってる」などと言って人間不信になったそうです。


○不知火朧

洗礼ネームは『ニンニン』
自分の事を「忍者だ」と言ってる時点で即特定信者入りでした。
ニンニンは霞の姉になります。
里から秘伝の書を持ち出して消えた弟を探して、この教団に入ったそうです。
秘伝の書によると、自分の見た目を完全に変える術が使えるそう。
しかし、この術に身体が耐えられるのは一度だけ。
既に姿を変えているかもしれない、ということで出会った人に戦いを挑んでいるそうです。

ちなみにニンニンにとっては弟ですが、霞にとっては兄になります。
きょうだいの順としては、朧>探し人>霞となります。
確か『かげろう』だったっけ……。


以上の特定信者が持っている悩みや心の闇を解決して、より多くの信者を救った方が勝ち、ということになります。
そして、この特定信者の一部に関して、キリトールは姿を消す前に『何か』をしていったようです。
キリトールの姿を見た時、ミアンカは「あの約束、いつにしますか?」と言ってきましたし、モーニャは「よくアタシの前に姿を見せられたもんだね!」とご立腹の模様。
タマーラに至っては「裏切者!」と襲い掛かってきました。
ウサンクサインは「あのことは反省して頂けましたか?」と言っています。
果たしてキリトールは姿を消す前、いったい何をしていったのでしょうか。
そして、特定信者を救う対決の結末は……。


という感じで話が進んでいきます。
話の中で、キリトールがやってきたことが徐々にわかってきます。


ミアンカとの約束は『結婚と子作り』でした。
正直、思わせぶりなだけで、もっと軽い約束だと思ってました。
しかし、これにも理由がありまして。
どうやら、話のルートが「成長した子供が勇者になり魔王を倒す」というもののようです。
クリアするためには魔王を倒さなければならない。魔王を倒すには子供が必要……ということで、キリトールと約束をしたようです。
キリトールの性格から、約束したのは別の理由がありそうだけど……。

『結婚』という事を聞いて、待ったをかけたのが霞でした。
ここで霞はキリトールの事が好きだと、ついうっかり言ってしまうのです。
ミアンカと霞の奪い合い、その様子を見ていたサオリータが参戦するというまさに三者譲らぬ戦いが始まりました。
実はサオリータも、偽キリトールの発案や言動を見ているうちに、だんだんと好きになったようでして。
そんな偽キリトールの奪い合いを見ていたら、居てもたってもいられなくなった。という感じでした。
ただ、ミアンカと霞が好きなのは桐斗であって、サオリータが好きになってしまった良平ではないのです。
見た目は桐斗そっくりなんですけどね。
結局、この場は良平がうまく巻いたのと同時に、ミアンカは最終的にシバールに捕まってしまったりして、この約束の話は流れてしまうんですけどね。
最後はどうやって解決したんだろう。
本物ではない事を明かして、ここにいる偽キリトールとは別人という事を理解させたのかな……。
何か「こっちのキリトール様でもいい!」とか言い出しそうな気がする。


モーニャにしたこと……というか、実際には「何もしなかった」事に憤りを感じていたようでした。
モーニャは自分の身体が魅力的な大人になったという自信が少しあったので、キリトールに勇気を出して誘ったのです。
「『パフパフ』しないかい?」と。
ドラ○エから急にドラゴンボ○ルネタになった。
しかし、キリトールはきっぱりと断ったのです。まるで興味がないと言うかのように。
実際に興味無さそうでしたけど。
あっさりと断ったことで、モーニャが傷ついた……ということのようです。
この辺も、キリトールじゃなかったからか、それともそんなことする必要が無いとわかったからか、うやむやのうちに片付いてましたね。


タマーラとウサンクサインの話は共通な部分があります。
タマーラは以前、キリトールと一緒に遊んだことがあるのです。
その姿を誰かに見られたくないから、みんなが寝静まった後にこっそり遊んでいたようです。
そうやって遊んでくれたのは、キリトールが初めてだったようで。
タマーラが「キリトールが初めての人」と言っているのを、ウサンクサインが聞いていました。

ここまでは良かったのですが、ある日タマーラがキリトールに対して「信じてたのに……キリトールも裏切った」と言っているのをウサンクサインが聞いてしまったのです。
このことで、ウサンクサインはキリトールがタマーラを遊ぶだけ遊んで捨てたと勘違いするのです。
しかし、実際はタマーラが仲良くしていたネズミのチュー助さんとチューチューさんら4匹が業者によって駆除された事に怒っていたのです。
ミッキーさんとミニーさん、名前だけ出すならいいけど、そのあとに駆除されたとは書きにくい……。

ちなみにこのネズミの駆除については、キリトールが手配したのではなく、シバールが手配した業者だという事が判明しました。
キリトールは裏切ってなかったのです。
その事が判ったことで、タマーラの認識とウサンクサインの認識が変わったのです。


キリトールがやったことの話はここまでにして。
ここからはどんな感じで救われたという話をしつつ、各キャラクターについて触れましょうか。




○偽キリトール(葛城良平)

借金まみれという状況から、誰にでも救いの手を伸ばしてしまうタイプなんでしょうね。
その優しい性格が、今までは利用されてきてしまったために、借金まみれの生活をするようになってしまったのかもしれません。
ただ、優しい性格が根本にあったから、今回の事件を無事に解決できたんだと思います。

確かに特定信者の人たちは、あまり触れたくないと思う人もいると思います。
正直、関わったら何だか面倒なことになりそうという印象がありますし。
だからか、今まで教団関係者の間でも、あまり触れてこなかったのかもしれません。
その中でも、キリトールは色んな手を考えて動いていて、その意思を引き継ぐ形で偽キリトールとして活躍しました。
タマーラに使った『動物作戦』は、キリトールも似たような事をやっていたという点から、見た目だけでなく考え方も似ていたという事のようです。

今回は勝負ということもあって、ゲームの世界にいる住人も救うことになりました。
そこで有力になったのが『ゲーム中毒者』の存在でした。
ゲーム中毒者に「ゲームを辞めなさい」と言っても、聞く耳持たない人が多いことを良平は知っていました。
そして、その人たちは「ゲームがクリア出来たら、そのゲームを終わらせる」ことも。
もちろん、一度クリアしたゲームを何度もプレイすることもあれば、新しいゲームに手を付けることもあります。
ただ、今の状況を、クリアする事で一度終わらせることが出来るのです。
そうすれば、例えば現実世界は「ゲームクリアしたことで、新たなマップが解放された」という事にして、新たな冒険の旅を始めることが出来ます。
そこは今までのゲームの世界とは違い、魔法も武器も無いけれど、仲間や絆がある世界。
その世界へと、良平は送り出すことに成功したわけです。

最後のシーンで、霞は良平に対して「自分の追い求めてるキリトールではなかった」と言っていたので、ミアンカも同じだったのでしょう。
これで恋愛話は……サオリータだけになったわけですが。
個人的にはお似合いだと思うんですけどね。そのままサオリータを救ってしまえ。と思ってました。




○ウタマーロ(石丸慶介)

『交差ミッション』から引き続きの出演となったので、衣装等も変わらなかったけど。
最初は良平の事を全く信頼してなかったけど、一緒に行動しているうちにだんだんと信頼していっていったんですよね。
何回か観ていたのですが、結末を知っている上で序盤を見ると「最初はこんなに嫌がってたんだよな……」と思ったり。
「こいつですよ」の時の表情が、あからさまに嫌がってましたし。
最初の出会いは、桐斗と違ってかなりマイナスからのスタートだったんでしょうね。
それが、良平のやり方にだんだんと心を動かされていって、いつの間にか信頼できるようになっていったわけで。

そして『十字架ミッション』でも、心動かさられる人が多数いましたね。
立場上からか、ミュージカル俳優というより歌が上手な教団幹部という感じでしたけど。
ただ、タマーラとの動物作戦の時の演技力は、さすが『ミュージカル俳優』だっただけのことはありますよね。

それにしても、ウタマーロ……慶介は自分に素直に生きてるなぁって思いますよね。
『交差ミッション』の時も、ポイント取りつつも奪われることが多かったですし。
今回もモーニャとのことを凄く羨ましく思ってたみたいですし。
代わりに、キリトールとの仲はきっぱり否定したり、一番素直な性格だったんじゃないかなって思います。




○サオリータ(神代佐織)

桐斗と良平、かなり似ている部分があったのに、なぜキリトールと一緒に居たときはときめかなかったんだろう。
『動物作戦』は、キリトールは裏でこっそりやってたから、サオリータの知らない世界だったのもあるけど。
ごっこ遊び』についても、キリトールはまだやってなかったようだし。
桐斗の性格から、あまり近くに居られなかったのかもしれないですね。
一人で静かにしているのが好きそうでしたし。
その点、良平に関してはいつもずっと一緒に居られたわけで。
その間に、恋が芽生えたのかもしれません。

前半戦は真面目だったし、あまりボケたりミスをするタイプの人間じゃなかったので、流れるように進んでいきました。
ところが、良平に対しての感情が生まれてからは、恋する乙女になりつつあって。
その辺の変わり様が観ていて面白かったですね。
個人的には、後半の恋する乙女の表情の方が好きですね。
ただ、お色気作戦は無理があったというか……。
もしかして、恋愛に奥手の人は、異性を振り向かせる行動として、お色気に走るという発想しかできないのかな。
『交差ミッション』の沙希だって、やっぱりお色気路線に走りましたし。




○シバール(司馬清忠)

人を見た目で判断してはいけないとは言いますが……。
久さんを見て真っ先に「あ、悪人だ」と思えてしまう不思議
先入観は良くないですね。
悪人ではなく魔王でしたけど。

ごっこ遊び』を否定していたのに、良平の話の流れでいつの間にか魔王に仕立てられてたわけですが。
本人はどう感じていたんでしょうね。
「こんなのに付き合ってられるか!」と思いながら、この流れを利用して自分のポイントにしようと考えていたのかな。
ミアンカを連れ去った後も、エルフのつけ耳を無造作に取ってましたし。

シバールに足りなかったのは、相手を理解しようと思う気持ちだったんでしょうね。
そのことを良平である偽キリトールに教えられたのかもしれません。
ただ、キリトールが偽物だと知った時、どういう反応を示すんでしょうね。
本物のキリトールとの勝負に負けたわけではないと思うのか、はたまたキリトールでもない人間にすら勝てなかったと思うのか。
エピローグの感じからすると、教祖は桐斗から良平になったんでしょうけど。




○クミーラ(島村久美)

今回のもう一つキーパーソンだったのがクミーラですよね。
クミーラこそが、ニンニン……朧の追い求めていた弟の変化した姿だったとは……。
という事を理解した上で、2回目以降は観ていました。
霞が朧との回想シーンの時、朧が「弟を探しに行く」と言っていたのですが、その時に顔色一つ変えなかったんですよね。
そして、霞が「見た目も変わっている」と言った時も、さり気なく「にわかに信じられない話」と言ってましたし。
確かにそう思うのが自然ですし、そう言う事で不確定情報という認識を植え付けるわけです。
少し気になったのが、シバールに対して「使える人間を『連れてきています』」と言って霞を紹介したこと。
教団幹部ということだから、『交差ミッション』の『ゴッド・オブ・ゴッド』の情報が少し入ってるのかな、とも思ったんですよね。
だってそれ以外に接点が無いわけですから。
里の情報を知らなかったのも、ちょっと気にはなりましたが、忍びの里なのだから情報が出ないのは当たり前、と言われればそうですし……。
ただ、よく考えてみると、なぜクミーラが霞の事を知っていたのかという疑問は残ったわけで。
その辺はうまく誤魔化されたな……という感じでしたね。

気になるのは、シバールと昔に何があったのかということくらいですかね。
何か探りを入れている時にシバールに見つかってしまい、絶体絶命だと思ったら「私には興味のない話だ」とか言って、何も聞かずに解放したとか。
シバールの隠された顔が見えたりしたのかなって思いますね。

そういえばねずみ駆除の話があったけど、シバールが手配したというのはもしかしてクミーラの助言があったから……?
秘伝の書をねずみにかじられてしまい、その報復措置として駆除することをシバールに提案した。
その提案を受けて、シバールが業者に依頼をした。という流れかなと思うんですけど、どうなんでしょうね。




○ミアンカ(松岡美亜)

どうやってキリトールとの結婚の約束をしたのか、すごく気になりますよね。
実はキリトールも『ごっこ遊び』作戦を考えていて、キリトールの知ってる作品が「子供が勇者になる」ルートの話だったとか。
それか、結婚しないと自分で自分を傷つけかねないと察して仕方なく約束したのか。
もしかして失踪した一番の理由って、ミアンカとの婚約だったりして……。

ミアンカのシーンで好きだったのが、姉のモーニャに対する魂の叫びですね。
ここぞとばかりに、モーニャに対して暴言を浴びせてましたし。
いつも一緒に居て、仲良さそうに見えたのに、実は妹の思ってることは相当黒かったという。
いや、身内だから見えてくる事もあるのか……。
今までずっと、戦いながら「お姉ちゃんの踊り、ホント変だよね……言えないけど」とか思ってたのかな。
言えなかったことが、魔王シバールの登場によって言う事が出来た。
ある意味、ミアンカのレベルが上がった瞬間でしたね。姉を攻撃した経験値でね。




○モーニャ(松岡もなみ)

変な踊り子……げふんげふん。
踊りのスキルが上がってないというより、どちらかというと踊りのセンスが上がってない気が……。
スキルに関しては、練習とかレベルアップで上達するけど、センスになると生まれつきもってるものだったりするので、成長は見込めないような……。
本人は一生懸命やってるんでしょうけどね。

妹のミアンカにボロボロに言われたあと、カンダタに慰めてもらってたけど、このことがきっかけで良いムードになったりしたのかな。
あのシーン、ほんわかしてて良い感じだったし。
エピローグの時、カンダタも徐々に人間らしさを取り戻していったわけだし。
ミアンカにはキリトールがいるし。
でも、キリトールを誘惑してたくらいだから、やっぱりモーニャもキリトールの事が好きだったのかな。
そうなると、カンダタには勝ち目は無いか……。

ところで、モーニャはどこで『パフパフ』を覚えたんでしょうね。
あのゲームの世界じゃなくて、別の世界の用語なわけだし。
しかもミアンカには知られたくない世界っぽいし。
スコールさんの話の時、急いでミアンカの耳をふさいでたから、「ミアンカにはまだ早い」という意識はあるみたいだったので。
ミアンカの婚約の件といい、実は松岡姉妹って大胆な行動をするタイプだった……?




カンダタ(神田武雄)

毎回メイクが大変そうだな……という役でしたね。
戦いをしている時は普通に動けるのに、移動するときはなぜか両足飛びでしか動けないという。
そこはカンダタが設定を意識していたのでしょうか。
何となく歩いて現れたら、モーニャたちに「モンスターらしく現れなさいよ!!」とか言われてたりして。

カンダタに関しては、とにかく見た目のインパクトが強すぎますね。
出てくるだけで笑いが起こるくらいでしたし。
最後のシーン、完全に顔を拭き取れてないのは笑いを取りにいったというより、人間らしく戻る過程を表現したのかな、とは思いますけど。
でも、あの状態でシバールが表に出ることを許可してたけど、大丈夫だったのかな……。
千秋楽では「ハロウィーン終わったけど捕まるなよ」とシバールが言ってたけど。
多分、職質は受けただろうな……。




○タマーラ(旭山多磨子)

動きからすると獣というか犬っぽい感じはあったけど、マタタビといえば猫だし……。
大きな括りで言えば『野生動物』にはなるけど。
というか、仮に猫だとすると、ねずみのちゅーすけさんとかと友達になれなかったんじゃ……。

キリトールに裏切られたと思い込んだシーンの時、妙に人間らしさを感じたのはなんでだろう。
いや、もともとは人間なんだけどさ。
大きくとらえすぎかもしれないけど、そういった変化を生んだのも、キリトールの影響だったのかもしれませんね。
キリトールが夜な夜な一緒に遊んでくれて、徐々に『人間らしさ』を取り戻していっていたのかも。
ただ、友達が駆除されてしまったことで、タマーラは再び獣のような姿に戻ってしまったとか。

かなり激しい動きをこなしていたようですが、何の違和感も無く演じられていたのは凄いなぁって思いました。
あまり深くは触れませんけど、知ってからは少し気になって観てましたけど。
無事に千秋楽まで終えられて良かったです。




○ウサンクサイン(百合川真理央)

3週間経ってるし、正直に書いても誰も読まないと思うので。
初見の時は、「こういうキャラクターって苦手だな」って思ってました。
キャラクター性というか、あの服とか表情とかが嫌な感じを受けてました。
ただ、不思議なもので、回数を重ねるごとにその嫌悪感は無くなっていったんですよね。
さすがに愛おしいとまではいかなかったけど。だって女子じゃないし。

超能力なんて使えるわけが……とも思ったけど、そもそも悪の組織に洗脳されそうな人がいるような世界ですからね。
超能力者がいても、何の不思議もありませんね。
能力としては微妙な感じだったけど。
少なくともテレポーテーションは間違いなく使えてないと思う。

最終的にはタマーラさんと仲良くなれたみたいだし、良かった良かった……なのかな。
タマーラさんは救えたけど、何となく『人間嫌い』という部分は治ってない気がする……。
いいのかな。タマーラさんと一緒になって、人間嫌いを克服していけば。




○スコール(雨宮一郎)

中盤までは良かったのに……結局、救われない役でしたね……。
最初観た時は、ホントに騙されましたよね。
「失った息子を取り戻すため」とか、「気付いたら目の前に横たわって動かない息子の姿」とか。
終盤のシーンで「そっちか……」という感想にはなったけど。
一度観てしまったら、この辺のセリフの意味合いが全く違って聞こえてくるんですよね。

こればかりは医療的にもどうにかなる問題でもなさそうですし。
文字通り現実を受け入れさせるしかないのでは……。
いっそのこと、シバールの「徹底的にやる」方針のもと、社会復帰を目指した方が良さそうな気がします。

日替わりネタ。うちが観たのは、『ドラえもん』、『ドラゴンボール』、『アルプスの少女ハイジ』でした。
ここの部分、てっきりタクヤさんの中だけで準備されてるものだと思ってたら、事前に打ち合わせてたみたいで。
千秋楽を除いてさらっと流してたので、そういうものなのかなって思ってたんですよ。
千秋楽は……シバールのキャラ崩壊してた気がしないでもないけど。




○不知火霞

良平は桐斗と性格的にも似てる部分があったけど、やっぱり心を奪った相手は桐斗だけだから、良平には興味無かったんでしょうね。
実際、良平自身には貸しは無いわけですし。
ただ、微妙に時間軸がずれるような気がしないでもないんですよね。
『ゴッド・オブ・ゴッド』のために霞が呼ばれたけど、『十字架ミッション』の頃にはキリトールがある程度、教団内で活動していたわけだし。
その間も教団内に居座ったとは……霞の事だからあり得そうだわ。
一つの事に目を向けたら、そこからずっと目を離さなそうだし。
勝手にこれを書きながら作り上げたストーリーだと、『ゴッド・オブ・ゴッド』の後も霞は教団内に潜んでいた。
桐斗……キリトールへの借りを返すために。
しかし、キリトールは一切の隙を見せなかった。まるで、霞が監視しているのを知っているかのように。
そしてある日、キリトールの姿が見えなくなった。
外へ探す事も考えたが、キリトールは『クロスクロイツ』の教祖なのだから、教団内で待っていればいずれ戻ってくる。
ここは下手に外へ出るよりも、じっくり教団内で待ち構えている方が得策。
そんな事を考えながら教団内に潜んでいたところ、クミーラ……実の兄に存在がバレてしまう。
口封じとも思ったが、クミーラは「協力してくれるのなら」という条件を提示。
あまり乗り気ではなかったかもしれないが、キリトールが絡んでいるのであれば話は別である。
そして、霞はクミーラと、シバールと手を組むこととなった。

そういえば、「誰かから呼ばれてきた」とも言ってたから、その差出人を探すために教団内に潜んでいたとか。
でも、それだと夢が無いからなぁ……。




○ニンニン(不知火朧)

声と態度はでかかった。
秘伝の書を必死に取り戻そうとしていたけど、これだけで「どうして朧が秘伝の書を必死に取り戻そうとしてたか」というのが判った人がいたとか。
そんなの、全く思いつきもしませんでしたよ。
カラスカの舞台は、初回は何も考えずに観るって決めてるのもありますけど。

ウサンクサインと手を組むことになって、偽キリトールに変化をした時、てっきり身長はそのままで、すぐばれる展開かと思ったのに。
一応、身長も偽キリトールと同じサイズにはなれたんですね。
変化の術だと、特定の時間や体力的な問題もあるけど、秘伝の書を使えばそういったものを一切無視してその姿で居られるわけで。
朧はその能力を欲しかったのでしょうね……。
でも、忍者なんだから小柄の方が忍びやすくて良いのでは?

ニンニンに関して言えば、結局のところ『クロスクロイツ』に救いを求めてきたわけではないし。
秘伝の書を使って大きくなった後で、「小さい方がみんなかわいがってくれた……」と思っても後の祭りですからね。
きっと、「ニンニンよ……おぬしは小さいまま生きよ……」という神のお導きがあったんでしょう。




この辺りで『十字架ミッション』の話は終わりにして。
後は少しだけ、両方のミッションについて。


『交差ミッション』と『十字架ミッション』でつながりがあった部分として。

・慶介と霞が同一人物
・桐斗がキリトールになった
・霞を呼んだのは兄(クミーラ)であった
松岡姉妹の父をしばいたのは三浦うらら

といったところでしょうか。
最後のはさり気なく入ってたんだけど、桐斗の知り合いで性格の悪いアイドルという条件に一致しますし。
実は他にもつながりがあったかもしれませんが……。


今回、2週間2作品同時上演ということでしたが、どちらの公演も2時間が苦にならないくらい面白かったです。
『十字架ミッション』から観たのですが、話の流れについていけない事も無かったですし、『交差ミッション』を観た後で、改めて『十字架ミッション』を観て気付く事もありましたし。
やっぱ複数回観るのが一番ですね。

そんな感じで。
次回公演も楽しみにしています。


ちなみに今回、やってみたいと思った事を実行してしまったのですが……その話は長くなったので割愛しますね。
『交差ミッション』と『十字架ミッション』、それぞれ用意されてるとは思わなかったし、何なら『十字架ミッション』は千秋楽の前に無くなってたし。『交差ミッション』は手に入れたけど。