未定

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2018年7月以前の記事(アメブロ):https://ameblo.jp/kumai-3







【舞台感想】カラスカ公演『クロスミッション』~交差ミッション編~

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カラスカの2作品同時公演の両方を観てきました。
千秋楽から3週間ほど経ってますが。

時系列でいくと、『交差ミッション』から『十字架ミッション』という流れになります。
公演表上でいくと、A公演・B公演の順ですね。
まとめて感想を書きたいところですが、恐らく長くなるのでミッションごとに分ける事にしました。
なお、あらすじは公演パンフレットの裏面を参照してください。


交差ミッションは『ゴッド・オブ・ゴッド』というゲームがメインとなります。
メンバーは次の通りです。後ろに書いてあるのが職業です。

加々美桐斗:デイトレーダー
石丸慶介:売れないミュージカル俳優
不知火霞:忍者
龍王院刹那:大学生
三浦うらら:これから売れるアイドル
水無月瑛理:スカット細胞の研究員
相良アキラ:サバゲーオタク(そういえば職業言ってなかったけど無職なのか……?)
麻美潤子:キャバクラ店員
田中信夫:サラリーマン
鰐淵沙希:高校生
木下梢:高校生

一通り自己紹介が終えたところで、『ゴッド・オブ・ゴッド』へと話が移っていきます。
まず最初のゲームです。
ゲームのタイトルは忘れましたが、最初は「言っちゃダメダメ、言わせば勝ちよ、NGワードゲーム」でした。
最初だからか、これだけタイトルの印象が強く残ってる。

ゲームのルールは、頭の上に自分のNGワードを掲げます。
もちろん、そのNGワードは自分だけ見ることが出来ません。
他のメンバーは、相手のNGワードを言わせるような会話の流れを作り、相手に言わせれば勝ちというゲームです。
言ってしまった人はこのゲームから脱落、ということになります。
NGワードはこんな感じでした。


加々美桐斗:はい
石丸慶介:サカナクション
龍王院刹那:痛い
三浦うらら:すごい
田中信夫:え?
鰐淵沙希:何だと

不知火霞:クリ
水無月瑛理:マツタケ
相良アキラ:何言ってるんだ
麻美潤子:嘘!
木下梢:そんな


もちろん、このNGワードは各公演共通でした。
引く順番とカードの並び順を決めておいて、その通りに演技を行うという、一番ミスが許されない場面でした。
念のため、GOG運営のタマターマさんが配る前に確認してましたけど。

ちなみに、ブロックで区切られているのは、前半組と後半組という形でした。

前半6人はまず、桐斗が田中さんをアウトにしました。
沙希は刹那に攻撃を仕掛けますが失敗に終わり、その様子をうららに馬鹿にされたところで、沙希がNGワードを言ってしまいます。
その後は桐斗が流れるように、慶介、うらら、刹那をアウトにして決着となりました。

後半5人は瑛理がアキラに対し、意味不明な言葉恐らく専門用語を言ったところで、アキラがNGワードを言ってしまいます。
その様子を見ていた潤子、梢、霞が次々にNGワードを言ってしまい、瑛理の一言での決着となりました。




これで決着かと思いきや、『ゴッド・オブ・ゴッド』はまだまだ続きます。
続いてのゲームは『ピンチ切り抜けゲーム』です。
このゲームは、ピンチカードに書かれているピンチな状況に対し、アイテムカードに書かれているアイテム3つを使ってピンチを切り抜けるというゲームです。
このゲームについてはチーム戦となり、先ほどの括りでのチームとなります。
前半チームがキリンさんチーム、後半チームがゾウさんチームとなります。


まず最初のピンチは「同級生にいじめられた」というものから。
アイテムは、縄跳び、チョーク、トライアングルでした。
挑戦するのはキリンさんチームです。
チーム戦ですが、それぞれのアイテムごとに担当が振り分けられます。
今回の場合は、縄跳びを田中さんと沙希、チョークを慶介と刹那、トライアングルを桐斗とうららで考えることになります。
同じアイテム担当同士の相談は可能ですが、他のアイテム担当の人との相談は出来ません。
そしてピンチ状況が発表された時、沙希と梢の様子に変化が現れます。
以前、この2人にいじめが原因の出来事があったようで、その時の事を思い出していたようでした。

ちなみにこのお題の切り抜け方法は、「縄跳びで二重飛びをし、床に巻いたチョークの粉を舞い上がらせ、トライアングルの火花で粉塵爆発を起こし、いじめっ子をやっつける」というものでした。
しかし、瑛理の「チョークの粉では粉塵爆発は起きない」という指摘により、この切り抜けは失敗になりました。


続いてゾウさんチームのピンチは「敵のスパイに見つかった」というもの。
アイテムは、扇風機、スプーン、サイリウムでした。
扇風機を潤子と梢、スプーンを霞と瑛理、サイリウムをアキラが担当します。
ゾウさんチームは5人なので、最後のアイテムのみ1人で考える事になります。
この時、アキラの様子がおかしくなります。
切り抜け方法は、「扇風機に声を当てて宇宙人を装い、スプーンを目に当てて見た目も宇宙人を装う」というものでした。
ここでアキラがサイリウムをかざせば、宇宙人のライトセーバーに見せることが出来たのですが、過去のトラウマからか、アキラは何も答える事が出来ず、切り抜け失敗となりました。


再びキリンさんチームが挑戦するピンチは「親に見捨てられた」というもの。
アイテムは、500円、時計、靴下でした。
500円を桐斗と田中さん、時計を刹那と沙希、靴下を慶介とうららが考える事になりました。
この時に様子がおかしかったのが、慶介とうららでした。
その結果、「500円を使って公衆電話で両親を呼び出し、想い出の時計を見せる」ところまでは良かったのですが、最後に「靴下に石を詰めて殴り殺す」という回答をしてしまい、切り抜け失敗となりました。


そしてゾウさんチームのピンチは「生徒に告白された」というもの。
アイテムは、双眼鏡、ペットボトル、ちくわでした。
双眼鏡をアキラと梢、ペットボトルを霞と潤子、ちくわを瑛理が考える事になりました。
この時も、瑛理と刹那の様子がおかしくなります。
このことに、桐斗が何か勘付きます。
『いじめ』の時は沙希と梢、『スパイ』の時はアキラ、『親』の時は慶介とうらら、『告白』の時は刹那と瑛理。
これは、この場にいる人の『トラウマ』がピンチのお題になっているのではないか、と。

なお、このピンチは「双眼鏡で皺が多い事を教え、ペットボトルの水で肌が水を弾かない事を見せ、ちくわを銀スプレーで塗って指輪と見せかける」という回答で切り抜け成功となりました。
ナンデヤネンさんが「まだ水を弾く」とか言って取り乱してましたけど。


この時に使われていたピンチカードとアイテムカードは、恐らくトランプだったのではないでしょうか。
実際にピンチシチュエーションとアイテムは書いて無く、あくまで台本通りのピンチシチュエーションとアイテムだったのではないかと。
最初は、NGワードゲームの時のように「引く場所を最初から決めている」のかと思ったのですが、今回は観客に見せるわけでもないですからね。
わざわざ書いておく必要もありませんし。
上から2枚目を続けて引いたり、中ほどから引いたりとばらけていましたし、アイテムカードを持ったナンデヤネンさんがさり気なくシャッフルしてたんですよね。
さすがにシャッフルまでして、書いてあるお題を引くなんて芸当、どう考えても無理ですからね。
お題が一つしかないなら、全て同じ文言を書いておけば良いですが、いくつかありますからね。




ここまでで一度、『ゴッド・オブ・ゴッド』のポイントが与えられます。
まず、基礎ポイントが全員50P、今回切り抜け成功したキリンさんチームに100P、NGワードゲームの時にNGワードを言わせた人1人につき30Pが与えられます。
その結果、トップは瑛理の250P、続いて桐斗の170P、瑛理以外のキリンさんチームの人が150P、うららが80P、残った人が50Pとなりました。
このポイントを元に、最後のゲームに入ります。


最後はサバイバルゲームとなります。
内容は、それぞれ別の部屋に移動したところから始まり、『ゴッド・オブ・ゴッド』の参加者同士が接触した場合にバトルスタートとなります。
バトルの内容は、最初が『相手をときめかせる』、続いて『相手を素直にさせる』、最後は『相手を感動させる』というものです。

このゲームを通じて、様々な事が判ってきます。
それは、人には人それぞれのトラウマがあるという事。
ピンチ切り抜けゲームの時に様子がおかしかった理由も、ここで明らかになっていきます。

沙希と梢は、元々仲の良い親友でした。
しかし、沙希がいじめを受けていた時、梢は見守る事しか出来なかった。
沙希は梢が助けてくれなかった事で、裏切られたと感じてしまったのです。

慶介とうららはお互い、小さい頃に両親に捨てられたという経験の持ち主でした。
その後は親戚などに引き取られ、生活をしているとのこと。

刹那と瑛理は、生徒と先生という立場でした。
刹那は瑛理に告白をしますが、生徒に手を出すなんて出来ない瑛理は、ちくわの指輪を作って既婚者であることを装ったのです。

ピンチ切り抜けゲーム以外の部分で、潤子は自分の見た目を気にしていました。
見た目が良くないと思い込んだ潤子は、両親が新興宗教に入信したのは自分の責任だと感じていたのです。

慶介に関して言えば、『歌』に出逢えた事でトラウマを乗り越えることが出来ていました。
そこで、桐斗と協力するような形で、色んな人の悩みに対して救いの手を差し出していきます。
その様子が……魔法のじゅうたんありのままの自分のミュージカル風という。


ゲームは終盤、桐斗の勝利で終わると思いきや、急に田中さんの事をべた褒めして、自分のポイントを全て田中さんに譲渡します。
なぜそのようなことをしたのか。
桐斗の推測では、『ゴッド・オブ・ゴッド』は教祖を決めるゲームである、と。
このゲームに勝利した者が、次の教祖となる存在。
そのような存在になりたくない桐斗は、一番無難そうな田中さんを教祖に仕立て上げたのです。

複数回観た時に気付いたのですが、トラウマの話が無いのは田中さんと霞だけ。
しかも霞は「誰かから招待状が来た」と言っていました。
田中さんだけトラウマも無ければ、なぜこの場にいるのかという理由もはっきりしないのです。
職業もサラリーマンですし。
どうしてそんな人がここにいたのか。
田中さんの正体は、現在の教祖だったのです。
新しい教祖を決めるということは、前の教祖が辞めるということ。
そして、その教祖が新しい教祖を自分の目で確かめたい。
そういった理由でゲームに参加していたのです。

つまり、田中さんはジョーカー扱い、NPC扱いということです。
田中さんへのポイント移動は無効となるので、結果的に桐斗がゲームの勝者、ということになってしまいました。




『交差ミッション』はここで終わりになります。
この後日談的なものが、『十字架ミッション』になります。


さて。
ここからは各キャラクターについて書いていこうかと思います。




○加々美桐斗

直感や推察が鋭いタイプの人ですね。
その感性を活かして、デイトレードで稼いでいるんでしょうね。

桐斗は最初から凄かったというか。
田中さんに「君、私より年下だよね?」と話し掛けられた時も、「はい」と答えるという予測に反して「うん」と答えてましたし。
恐らく桐斗の中で、推測したのでしょう。
何か相槌をうつような言葉がNGワードになっている。
「はい」や「そう」といった言葉の可能性が高い。
となると、「うん」なら予想に反した返答になるので、NGワードになる確率は低い。
そういった読みがあったのかもしれません。
そのせいか、返事も即答ではありませんでしたからね。

後半は、桐斗の活躍が目立ちましたね。
田中さんと一緒に行動したのは、最後にポイント譲渡しようと考えていたからでしょうね。
ただ、野放しにしておくと、田中さんがゲームから脱落してしまう。
そうなってしまえば、ポイント譲渡することが出来ない。
そこで、一緒に行動することで、何とかゲーム中に生存してもらうことにした。
そう決めてしまえば、それぞれのトラウマとなっている部分を解消させれば良い。
桐斗としては、自分が勝利する事よりも、このゲームを早く終わらせることを狙ったんでしょう。
慶介と協力するような形で、それぞれの悩みを解決していったのは、そのためだったのかと。
仮に自分が優勝する気でいるなら、全員の悩みを解決すれば、確実に勝利は手にすることが出来ます。
適材適所という事かもしれませんが、もともと桐斗は優勝に興味無かったですし。




○石丸慶介

気のせいかもしれないけど、最初の方はミュージカル俳優としての評価が中の下だったような気がするんですよね。
でも、千秋楽には評価が下の下になってて……。
もしかして公演ごとに評価が下がっていっていたとか……?
ただ、その歌声を聴くと心が動かされるらしく、その威力は後半で発揮されます。

最初は瑛理と潤子を救うために歌った、アラジ……魔法のじゅうたんの楽曲
この時、ときめきセンサーが反応したあと、客席に向けて頭を下げるシーンがあるのですが、千秋楽では拍手が起こっていました。
正確には、前方席の人が小さく拍手してるのが見えたので、便乗して拍手始めたんだけど。
ちなみにここでナンデヤネンさんが「不協和音!!」と言うのですが、綺麗に揃った時は言わなかったそうです。
うちが観た公演は残念ながら……。

続いてはアキラと沙希を救うために歌った、アナと雪の……ありのままの自分の楽曲
ここでも拍手が起きていましたね。
うちが観た公演のうち、27日の昼公演と千秋楽ではありました。
正直なところ、27日の昼公演は思わず拍手してしまったという部分もあるんですけどね。

最後は自分と同じ境遇のうららを救うために歌いました。
実は楽曲を良く知らないという。
この曲は、うらら以外の全員を巻き込んでの大合唱でした。
さり気なくGOG運営の人たちも歌ってましたし。

この時の活躍があってか、はたまた桐斗と共闘したこともあってか、『十字架ミッション』へとつながっていくのでしょうね。




○不知火霞
序盤は落ちぶれた様子を見せていましたけど、それも作戦のうちだったんでしょうね。
前半2つのゲームの時は、それほど力を入れてなかったというか。
あまり考えずに行動していた感じもありましたね。
今になって思えば、『NGワードゲーム』の時も先手を取ろうとしていましたし。
忍者なんだから、こういう時はまず静かに状況を見守って、相手の動向を探るのが先な気がしますし。
その上で、相手の裏をかく作戦を考え出して、敵の核心を狙う。忍者ってそんな印象がありますし。
最初の方では「この忍者、たいしたことないな」と思わせるのが作戦だったんでしょうね。

そして後半のゲームで、一気に巻き返しに入るわけですよ。
相手の城の中に入った後も、敵の兵士のフリをしたり、使用人のような真似事をしたり。
そういったのが得意だから、相手が作り出した状況にいち早く馴染めたのでしょう。
そして、自分のポイントを奪われないように防御をしつつ、あわよくば自分のポイントを獲得する。
そのためには、どのような戦術で行けば良いか、どんな環境でもすぐに対応できる能力が備わっていたのでしょう。
結局、桐斗には勝てなかったわけですけど。

ちなみに、個人的には素直にさせるゲームの時、渾身の「いーやーだー!!」と叫ぶシーンがお気に入りでした。




龍王院刹那

本名は忘れた。吉田君だった気がする。下の名前はよしおだっけ。
いつから……というか、どうしてこのキャラクターに行きついてしまったのでしょうか。
言動はともかく、一応大学生ということもあって、最初のシーンでは割と冷静な考え方が出来てたんですよね。
気付いたら見知らぬ部屋にいた。
ここはどこなのかと、騒いだり不安になる気持ちもあるけど、まずは一度落ち着いて状況を整理する必要がある。
状況を整理した上で、ある程度の仮説を立てつつ、今後の行動を考える。
理論としては、結構良い線いってると思うんですよね。
キャラクター性がアレだけど。
それに、最初の『NGワードゲーム』では、相手の行動から自分のNGワードをピタリと当ててましたし。
頭は良いんですよ。キャラクター性がアレなだけで。
そういえば、『ピンチ切り抜けゲーム』でも、桐斗に対して絶妙なパスを出したり、桐斗の考えを読み取って対応したり。
実は意外と凄い部分もあったんですよね。キャラクター性がアレだっただけで。

ただ、どちらかというと洗脳されやすいタイプなのかなって。
自分自身で洗脳した結果が、『龍王院刹那』というキャラクターを堂々と演じられているわけですし。
まさか田中さんとの熱愛まで……。
総合的に見れば、悪い人ではないけれど、洗脳されやすく騙されやすい人でしょうかね。




○三浦うらら

人を馬鹿にしてる時の演技が、すごく馬鹿にされてる気がしてイラっときましたね。
と、最初に書くと嫌味に見えますが、あくまで演技の話ですからね。
それだけ演技力が高くて良かったと思います。褒めてます。

最初のうちは、相手の感情を引っ掻き回したり、それこそ馬鹿にしていたり。
まるで昼ドラを楽しむかのような存在でしたけど。
心のどこかで救いを求めていた……。
という感じではなく、誰かに救いを求める心すら失っていたんでしょうね。
親に捨てられたことが一番の原因だとするなら、家庭環境が変わる前までは、両親とも凄く仲良かったのでしょう。
仮に最初から捨てられるような状況だとしたら、あそこまで捻くれなかったと思うんですよね。
というか、そういった感情自体を持ち合わせないで生きていくはずですし。
凄く大事にしてくれた両親が、ある日突然「お前はいらない子だ」と言って捨てられてしまった。
自分は何も悪いことをしていないのに。
どうして捨てられたか、といった話は無かったので割愛しますが、そういった天から地へと叩き落された結果、他人の幸せが憎いと感じるようになってしまったのでしょう。

誰からも相手にされなくなった時、アイドルという存在を知って、試しにやってみたらファンからちやほやされるようになった。
そして自分に貢いでくれるようになった。
この方法なら生きていける。その結果が、今のうららという存在になったのでしょうね。
最終的に、失われた心は桐斗が少し埋めてくれたみたいですけど。




水無月瑛理

今は研究員だけど、もともとは高校教諭とかだったんでしょうね。
まさか中学教諭ではないよね……。
とすると、年齢差は大体一回りくらいといったところでしょうか。
現実世界だと、極端に稀なケースというわけじゃなさそうですよね。
良くある話、という感じでもないですけど。

『ピンチ切り抜けゲーム』の時に、アキラと梢のやり取りがありましたが、個人的にはラブがあれば年齢差は関係ないとは思うんですよね。
アキラは教師側の責任の問題があると言っていたけど、本当に愛し合っている二人なら、その責任問題も解決できるはずです。
逆に解決できないようであれば、それは愛ではなくただの遊び、ということだと思いますし。
その辺は当人たちが決める事であり、自分を見つめ直すきっかけでもあるわけです。
一度は諦めかけた恋愛だけど、今回の事がきっかけで成就すると良いですね。
そういや、後日談的なものが無かったよね。『交差ミッション』って。





○相良アキラ

実は一番謎の存在だったりするのがアキラなんですよね。
軍人のように見えても、実際はサバゲーオタクだったわけですし。
しかもその時に、実際の職業は言ってないんですよね。
トラウマに関しても、「大事な仲間を守れなかった」のは、恐らくサバゲー内での話でしょうし。
考えられるのはサバゲー内で、自分が隊長だったのに、誰一人として守れなかった。
そして、仲間から自分の弱さを責められ、団体を脱退した。脱退するしかなかった。
そういった事情があるのかもしれません。
周りの人からすれば、「たかがゲームでしょ」と思うかもしれません。
しかし、感じ方は人それぞれです。
ゲームの世界では活き活きと出来る。だから、日常生活で辛いことがあっても乗り越えられる。
『ゲーム』というのを『趣味』という言葉に置き換えれば、誰にでも当てはまる話になると思います。
アキラは「仲間を救うには自分が強くなければならない」と思っていたのかもしれません。
でも、一人だけ強くなっても、戦いには勝てないのです。
信頼できる仲間がいて、お互いの欠点を補いながら戦うこと。
それが勝利への道に繋がるのです。
きっと気付いたんでしょうね。慶介に気付かされたのでしょうね。




○麻美潤子

結局のところ、戸籍上の性別はどちらだったんでしょうね。
作品の本質としては「どちらでも関係ない」という事だろうけど。
桐斗に対して「見た目がこんなだから」と言っていたところから、男性なのかなってちょっと思ったけど。
ただ、名前が『潤子』ですし、刹那の本名を運営は知っていたようですから、仮に別の名前だとしたら自己紹介時に言うはずですよね。
とすると、『麻美潤子』は本名という事になるわけで。
そうすると女性なのかなって。
気にしてたのは、見た目が女性っぽくない。女装に見える。という事でしょうか。
もしかしたら、誰かに言われたのかもしれません。それ以来、気にしているのかも……。

ゲームを通じて感じたのは、直感は鋭いのに、その鋭い感性を活かしきれてないという事ですね。
物事に対する着眼点は良いんですよ。ただ、そこから導き出される答えが何か違う方向にいってしまっているだけで。
そして、自分を隠すのが上手だな、とも。
あまり悩みやトラウマが無さそうな感じだったけど、実は自分の見た目をすごく気にしていたし。
普段から『ありのままの自分』でいたから、そのせいで両親が新興宗教に入信してしまったのではないか。
ここに来るまで、『ありのままの自分』でいるべきか、ずっと悩んでいたんでしょうね。




田中信夫

終盤まで『さえない男』という感じでしたが、まさか最後に重大な事実が明らかになろうとは……。
ある程度はポイントを削られながら、他の参加者の動向を伺っていたんですね。
ゲームの一番の肝は最終決戦だと解っていたから。
仮にそこまででトップとなってしまっていても、最終ゲームで信者たちの声に耳を傾け、救う事が出来る人にポイントが集まりますから。
そういえば、最終ゲームの時に桐斗とのバトル以外、何も攻撃していなかったような……。
攻撃をすると自分にポイントが入ってしまうので、あえて攻撃をせずに防御に回ったのかもしれません。
自分の現状のポイント数では、優勝は絶対にあり得ませんからね。
あとはゼロになってしまったら、ゲームから脱落してしまうので、その点だけ注意すれば良いと。
一瞬だけゼロになりかけた場面はありましたけど。

桐斗と手を組もうと言われた時、ちょっと戸惑った様子だった気がしますけど気のせいだったのかな。
何となく桐斗と一緒に行動していると、田中さんが今の教祖であることを勘付かれてしまうのではないか。
そういったちょっとした不安があったのかもしれません。
ただ、断る理由も思い付かないし、逆に断る方が不自然になりますからね。
そういった思惑があったのかもしれません。




○鰐淵沙希

不良になってしまうのには、色んな事情があると思うんですよ。
沙希の場合、過去に受けた『いじめ』が原因なんだと思います。
いじめを受けたことで、「いじめなんかに負けるもんか」「いじめに負けないよう、もっと強くならなきゃ」と感じ、今の姿になってしまったのかと。
不良になると、周りの人が怖がって近づかなくなる。
自分を恐れていじめる人もいなくなる。
最初はうまくいったように見えても、気付いたら大切な人たちまで離れていってしまった。
いまさら元の自分に戻るわけにもいかず、今の道を歩んできたんだと思います。
ただ、今回の件がきっかけで、梢との仲を取り戻せたわけですし、これから自分の進みたい道をしっかり歩んでいけるかと。
ありのままの自分でいればいい。という事を解ったわけですから。

ちなみに個人的には、相手をときめかせるゲームの時に、お色気でときめかせようとして恥ずかしがる姿にときめいたんですよね。
このシーンの慶介の気持ちが凄く良くわかりました。




○木下梢

非常に内気な子で、周りに流されやすいタイプの子ですね。
沙希がいじめられていた時も、本当は沙希と一緒に居たかったけど、周りの人が避けているのを見て、自分も一緒に避けてしまったり。
最終ゲームの時も、うららに流されるような形で手を組んでしまったり。
ただ、どうやって梢を利用したのか、というのは触れられなかったんですよね。
「ポイントを全部奪われた」というのは、後半の梢のポイント数からすると嘘をついていたように思いますし。
「沙希と仲直りさせてあげるから、その代わりに協力しなさい」という言葉に流されてしまったのかな、という推測ではありますけど。

実は後半のゲームの時、本編上では唯一自分の意志だけで戦いに挑んでない人物だったんですよね。
いや、正確には本編では触れられてないシーンで、うららと接触した時に戦ったのかもしれないけど。
田中さんに対して「冷めないうちに食べチャイナ」と言ったのも、うららの作戦中でしたし。
一人で戦うとなった時に、どんな戦い方を見せてくれたのか、ちょっと気になりますね。
ただまぁ……「食べチャイナ」は、ちょっとかわいいって思ったけど。




○GOG運営

『ゴッド・オブ・ゴッド』が何の目的のゲームなのか、はっきりわからないうちは怪しい存在ではありました。
「優勝しなければそのままお帰りください」と言われても、最初から信用できませんよね。
もしかしたら、「優勝しなければそのまま土へとお帰りください」という意味で葬られてしまうかもしれませんし。
実際は教祖を決めるゲームだったので、文字通り帰ることが出来たわけですけど。
そういえば触れられてなかったけど、タマターマさんとナンデヤネンさんも、教団の幹部だったのかな。
『十字架ミッション』では触れられてなかったけど、運営を仕切るくらいの人物ですから、それなりの役職者のはずですし。
とはいえ、『十字架ミッション』の時は捜索に出てて留守にしてた、という事なんでしょうけど。

田中さんの時にも触れたのですが、桐斗と手を組んだ時、少しタマターマさんが焦ってたような感じがありましたよね。
やっぱりこれも、教祖の田中さんの存在が、桐斗にバレてしまうのではないか、という焦りがあったのかもしれません。
タマターマさんといえば、確か瑛理と刹那のラブシーンの時、投げやりに進行してたのは、「うまくいきやがって」というやきもちだったんでしょうか。

ナンデヤネンさんは、何といってもアキラと沙希のシーンですよね。
あの絶妙な間でツッコミを入れられるのは、ナンデヤネンさんにしか出来ないですよ。
実は『交差ミッション』で一番好きなシーンでした。




全体の感想については、次の『十字架ミッション』を書いた後にまとめたいと思います。
長くなりましたのでこの辺で。