未定

未定。すべてが未定。

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2018年7月以前の記事(アメブロ):https://ameblo.jp/kumai-3







【感想】カラスカ公演『まんま、見ぃや!』~個人の感想編~

こちらは個人の感想を書いてあります。
全体的なお話の流れを書いた『あらすじ編』、各キャラクターに注目した『キャラクター編』もあります。

ここからは、個人的に気に入ったシーンなぞを触れてみたいと思います。
ちなみに役名だったり、役者名だったりごっちゃになってます。
あと、一部はあだ名です。ごく一部です。




○オープニング

えりにゃが最初から出てる!!
今までって、暗転から出てる事って無かったんじゃないかな……。
しかも、人形を持っているので、「今回はそういう役柄なのか」という二重の驚きがありましたね。
ビジュアルのオフショットの時点では、衣装は発表になっていましたが、人形までは出ていなかったんですよね。

前半は主に語り部になっていました。
ああいった立ち位置の存在って、今までのカラスカでもあまり見なかったような……。
それにしても、えりにゃとみつおさんのコンビは、何であんなに安心感があるんでしょうね。




○美代の登場

酷い訛りがあったので、地元はどこかと思いきや千葉県ということで。
セリフからすると北海道出身という設定っぽいので、地域的には全然違いますね……。
かなり自然な訛りだったので、ねっちさんは相当な役作りをされたのかと思います。
難しい役どころだったけど、訛りはすごく良かったですね。

合わせるように、すみれの「信じるも信じないも」の訛りをまねてたのは面白かったですね。




○実近と笑子の出会い

春樹のことを追いかけてた笑子と、偶然居合わせた実近との出会いのシーン。
実近がフラメンコのリズムで現れたから、劇中で何か使うのかと思っていたら……結局あまり使わなかったですね。
『からす座』の公演でも、少し取り入れたら魅力的になったかも……。

ここで笑子が実近と譲吉に対し、自分の素直な気持ちを言ってしまうのが、度胸がありますよね。
たいていの場合、実近に対しては言えても、父親の譲吉に怒鳴られたら委縮してしまうんですけどね。
それも無く、譲吉に対しても「気持ち悪い」と言ってしまいますからね。

もしかして、実近が『からす座』に入りたい理由を聞こえるように言ったのは、この「気持ち悪い」と言われたことに対する腹いせだったのでは……。




○愛子が追いかけたすみれ

いざこざを見かけた愛子が「助けなきゃ!」と言って走り出すシーン。
あの時には春樹が既に居なかったはずなので、居たのは美代、すみれ、梅之助、太郎の4人だけだったんですよね。
助けなきゃいけないって言った相手は、初見では美代の事を救いたいのかな、とも思ったんですけどね。
実はすみれの事を「助けなきゃ!」と思ったのかもしれませんね。
もちろん、襲われている美代も、同じ女性として救いたかったんだと思います。




○久仁彦さん登場

ホント、この頃は『かっこいい久仁彦さん』でしたよね。
最前列で殺陣を見てたのですが、かっこよく決まってましたね。
久仁彦だけでなく、やられる側の梅之助と太郎のやられっぷりも、見てて清々しかったですね。
攻撃する方も攻撃される方も、しっかりと殺陣が出来てないと迫力が半減してしまうんですよね。
その辺も良かったですね。




○愛子に迫られるすみれ

すみれはかわいい女の子が好みだったのもありますけど、無邪気な愛子に見つめられたら、誰だって心動かされますよ。
しかも、本質を初見の一瞬で見抜いてしまうのですから。
その辺は両親の地を引き継いでるのかもしれませんね。
役者を選ぶセンスが昔からあった……のかもしれませんし。

ちなみに土曜日の公演、昼夜ともにここのシーンでちょっとしたハプニングがあったんですよね。
昼公演の時、千草の問いかけに対して、堂々と「昼です!」と答える愛子が、正直言ってかわいいって思ったのはここだけの秘密。
夜公演は、すみれの名前を呼び間違えてたけど、すみれの表情からすると、アレはわざとではなさそう……。
このハプニング、日曜昼公演で正式採用されるものの、イマイチだったので夜公演では元通りになってましたね。
というか元の名前って、フライヤーに書いてないから、別にそのままでも良かったのでは……?

座席の位置的に、短い足が目の前にきたこともありましたのですが、後ろですみれと太郎が足の短さについて討論してる姿が面白かったですね。
ちなみにもっと短いと……。

ここのポイントはすみれと千草のノリツッコミは何度見ても安心して笑えるという事ですよ。
すみれが千草のことを、毎公演違った表現をして、千草がノリツッコミをするというシーン。
個人的に、『座敷童』と言った回が一番好きでした。
何だろう、このこの2人が、お互いに信頼しあっているからこそ出せる味だと思うんですよ。
あと、『失敗したモナ・リザ』はうまい表現だと思った。




○みどりの登場シーン

いきなり包丁を持って現れるのが、すごく印象強いですよね。
そして包丁を振り回してる姿が、かなり豪快でした。
みどりが春樹に対して包丁を多く向けるのは、笑い要素もあると思いますが、春樹がヘタレ男子というのを強く印象付けるためなのかなって思いました。
その時の春樹の演技も良かったですね。

ここで笑子へみどりが「面白いことやってよ!」という無茶振りが来るのですが、うちが観た回ではゾウ・ソーダ・アイス・サメのネタでした。
最初の方は良かったのですが、複数回見るとあの静けさが逆に笑いを誘ってくるという。
あそこはリアル『笑ってはいけない演劇』だった
その無茶振りに対する受けも、なかなか面白かったです。
ネタに関しては打ち合わせしていたと思いますが、その受けに関しては一緒に混ざってたんですかね……。




○シュンカの登場シーン

みどりを止めるために、突如現れたのがシュンカですよ。
ビジュアル公開した時から、「ああ、やっぱり華子さんは……」と思いました。
ただ、あの動きや仕草は、華子さんだからこそ、より一層良く見えるんですよね。
役作りで色々悩みもあったようですけど、その分いいキャラクターになってました。

シュンカが現れた理由は最初に書いたのですが、なぜあの場にシュンカが居たのか、シュンカは何しに日本へという部分は最後まで触れられませんでしたね。
人探しをしている様子も無いですし。
後半の話からすると、もしかしたら一人になってしまって、流れ着いたのがあの場だったのかもしれませんが。
それで、笑子と春樹のことを見て、一目で好きになったのでしょう。
どちらかというと、好きというか笑子と春樹に懐いたといった感じでしょうか。
行き場も無かったシュンカが、居場所を見つけたと感じた瞬間かもしれません。




○梅之助の過去

過去というほどでもないですけど、梅之助にも歌舞伎の血が流れていました。
真似事のようにやり切ったところで、一瞬拍手しようかと思うのですが、そうするとみどりの拍手を殺してしまうんですよね。
見た感じは良いと思ったのですが、みどりにしては「ひどいですね」の一言が出てくるほどだったようで。
梅之助じゃないけど、何で拍手したんだよ、って思いました。
もしかして、ひどいのは歌舞伎そのものではなく、梅之助の気持ちに対して「ひどいですね」と言ったのかもしれません。
本人はそういうつもりでなくても、心のどこかでそのようなことを感じたから、出てきたのかもしれません。
それとも、前の恋人と重ね合わせて、梅之助の方がひどかった、ということかも。




○マチャコのからす座入団

銀二がマチャコの存在に気付いたことで、『からす座』への入団が決まったんですよね。
あのままスルーしてたら、きっとマチャコは今でもさすらっていたまま……。
さり気ないことかもしれないけど、銀二の一言がマチャコの運命を大きく変えたといっても過言でもないですね。

この時に、すみれと笑子……だったと思うんですが、マチャコのことを知ってるかどうかっていう会話をしてたんですよね。
松五郎は名前くらいは聞いたことある程度だった感じですが、すみれたちは全然知らなかった様子。
銀二はお笑いに興味があったんでしょうかねぇ。




○譲吉の悪巧み

梅之助と太郎を使って、『からす座』の公演を妨害しようと動きます。
この時、太郎に2回、梅之助に1回、杖で突いているのですが、太郎が突かれるのに合わせて、さり気なく「ち」「く」「び」と言っているんですよね。
土曜日の公演では何も言ってなかったか、言ってても小声で気付かなかったのか……。
梅之助の家は、もともと歌舞伎の家系ではあったけど、父親が亡くなってから時間が経ってますし、資金繰りも苦しくなってたんでしょうね。




○公演稽古

一番の注目は、久仁彦の視線の動きですね。
前半組は全体像を何となく見ているだけだったのに対し、後半はすみれの事をじっと見つめていました。
好きな人の演技は、ひと時も見逃したくないものですよね。
ただ、一度は全体像を見るのも良いと思いますよ。

ここで譲吉が稽古の乱入してくるのですが、シュンカがいい感じに成敗してくれます。
ところで、吹き矢の柄の部分というのでしょうか。あの部分を首に刺してたけど、吹き矢が入ってなければあれはただの物理攻撃に……。

そして、春樹が居ないことに気付いて、いち早く動き出すのも久仁彦なんですよね。
笑子が追いかけるのは、その後なんですよ。
その理由がこの後のシーンでわかるんですけどね。




○春樹の過去

この辺りから、物語の中核に迫っていきます。
まずは春樹の過去話から。

春樹の事を先に見つけたのは久仁彦でした。
久仁彦にとって、春樹の印象は戦時中の状態のままでした。
その時の春樹は『からす座』の意思を引き継いで、「苦しい時こそ笑え」を貫いていました。
戦地で辛い思いをしている時も、笑っていれば少しでも心に余裕が生まれる。
そうすれば、この状況を乗り越えられることが出来るかもしれない。
その信念を貫いていた春樹を見た久仁彦は、春樹のことを一目置いていました。
そんな春樹は今、何事からも逃げている。

春樹の逃げ癖がついてしまったのは、所属していた部隊が春樹を残して全滅したこと。
この時はまだ、具体的な状況は明らかになってないんですよね。
なので、この時点では攻撃を受けた部隊から命からがら逃げだしたという印象なんですよね。
その辺の具体的な状況に関しては、この後判明するんですけどね。

久仁彦は、春樹のことを救いたかったんでしょうね。
お世話になったり救ってくれたり、そういった人たちの力になりたい。
その気持ちがあったから、春樹が稽古に来ないと聞いて、すぐに動いたのでしょう。
ただここでは、春樹のことは救えなかったんですよね。
さらにここに、実近が現れたり美代が現れたり。
しかも美代が「すみれが辞めてしまう」と言ったのを聞いて、久仁彦はすぐにすみれの元へと駆けていきます。

ここで、実近と美代が手を組む事にしたのですが、美代の悪巧みする顔がいかにもって感じで良かったと思います。
田舎者だから、そういうことに疎いのかなって思ったんですけど、意外と美代ってちゃっかり者ですよね。
最終的にはああなるし。




○みどりの心配事

この様子を見たみどりが、譲吉のところに相談に行ってしまうんですよね。
最初は「何で譲吉のところに行っちゃうんだよ……」と思ったのですが、みどりにとっては自然な流れなんですよね。
みどりは梅之助の演じる姿が観たい。
梅之助の演じる劇団『からす座』の主要メンバーである春樹が脱退の危機。
脱退してしまっては、『からす座』の公演が危うくなる。
そうすると、梅之助の公演が観られなくなってしまう。
梅之助は秋山家に出入りしているし、譲吉なら力を持っているので何とか出来るのではないか。
そういったつながりなのかな、と思います。
もともと秋山家と仲良くしているのであれば、同世代である実近ともそれなりに付き合いがあるはずですし、実近の方が相談しやすいはず。
譲吉に直接相談したのは、そういった理由なのかなって思います。
このことが、ドタバタの一因になってしまうんですよね。




○すみれの悩み

すみれの方は最初、千草がついていました。
そこへ愛子が現れて「自分が下手だから……」と自分を責めてしまいます。
弁解しようと、すみれが「かわいい女子が(好きすぎて)苦手」ということから、「女子が苦手」という事にして、何とか愛子のことを慰めます。
この様子を陰でみどりが見ていて、勘違いを生んでしまうんですよね。
この時点で、すみれの本当の気持ちを知ってるのは千草だけでしたし。

そして久仁彦も現れて、すみれを救おうとしますが失敗に終わります。
問題はこの後ですよ。
久仁彦がすみれに対する想いを語るのですが、それを聞いていた愛子がだんだんと気付いてしまうんです。
「久仁彦さんは、すみれさんの事が好きなんだ……」と。
愛子は久仁彦に思いを寄せていたのですが、熱く語る久仁彦の様子を見て、自分には勝ち目がないな……と思ってしまうんです。
その証拠に、久仁彦が熱く語っている最中、愛子がワンピースを徐々に掴んでいくんです。
もうその様子が健気でかわいそうで……。
ホント、「久仁彦さん、愛子のことに気付いてあげて!!」って思いますよ。
この時に、愛子の様子の変化に千草も気付くのですが、あえて声を掛けないのが大人の対応ですよね。
そして愛子が言うんですよ。
「すみれさんの相手役に久仁彦さんがなって」といった感じに。
すみれは『女嫌い』という思い込みがありますから、久仁彦なら問題ないわけで。
愛子の気持ちに気付いた千草は「本当にいいの?」と聞きますが、愛子は覚悟を決めたようでした。
個人的には、ここのシーンが一番ぐっときましたね。
後ろの方だと、愛子の動きに気付かないかもしれませんが、目の前で愛子の動きを見ていた分、愛子の感情がより一層伝わってきました。




○マチャコと銀二のやり取り

マチャコも表には出さないのですが、悩みを抱えていました。
そこへ銀二が見た感じドン・キホーテハリセンをそっと差し出すわけですよ。
マチャコはハリセンに対する禁断症状が出てしまいますが、銀二を振り切っていきます。

実はこの問題、本番まで解決してないんですよね。
というか、すみれの問題に関しても、本番まで解決できてないんですよね。
表面上は代役を立てるなどして解決はしたけど、中身の方までは解決できてなかったわけで。
公演を通じて、自分の悩みが解決していくわけですが、それはまた後ほど。




○譲吉の妨害作戦

みどりから得た情報をもとに、譲吉が動き出します。
まずは主役級の2人に妨害を出します。
春樹はともかく、すみれに対しては女嫌いにはさらに女嫌いをぶつけるという逆効果を。
この時のすみれの表情の豹変っぷりが良かったですよね。
太郎に言われるまではクールな表情だったのに、太郎に言われた瞬間に乙女モード全開でしたし。

春樹の方はというと、ダメ押しになりそうだったところに、シュンカが救いの手を差し伸べます。
以前、「インディアンに言葉はいらない」と言っていましたけど、その言葉には続きがありました。
最初に言った時、ほんの少し間があったので、シュンカは「今は続きを言うタイミングではないな」と判断したのかもしれません。
言葉をより効果的なタイミングまで取っておいたおかげで、春樹のことも無事に救うことが出来ました。
この辺はシュンカの活躍が光る場面でしたね。

譲吉は検閲の方でも妨害してきます。
公演を差し止めたい敏郎の気持ちも合わさって、様々な難癖を付けてきます。
それを跳ね返すように、春樹が無事に復活しました。
そして、すみれの方も戻ってきました。
ここから、いよいよ本番に向けて動き出します。




○衣装合わせ

ここで、美代も愛子もかわいい衣装を着てて良いのですが、久仁彦が全部持って行った感じですよね。
日曜日の夜公演では、久仁彦の髪飾りが照明に引っかかるというアクシデントもありましたけど、照明の位置が低いからいつか頭ぶつけないか心配だったんですよね。
頭はぶつけなかったですが、まさか衣装が引っかかるとは……。
ただ、いつ取れたかは見てないんですよね。
気付いたら引っかかってたという感じでしたし。




○オープニングダンス

『からす座』のオープニング曲。
歌詞は漏れ聞こえる部分だけでも酷い感じがありますけど。
曲としてはホントに良いんですよね。
それに合わせたダンスも良かった。
誰を見たら良いのか、と思ってたけど、答えは割と簡単でかわいい人を見てればいいんですよ!!
誰がかわいいかは個人基準でお願いします。
うちは紋寿と愛子を見てました。

ちなみに最前席だと後ろの人が見えないと思いきや、前の方が見上げる感じになるので見えにくかったりするんですよね。
むしろ後ろにいる人の方が、人と人の合間から見えやすかったりします。
アンケートにも書いたけど、ダンスのえりにゃは頑張ってたし、かわいかった。

ところで、オープニングダンスのところ、クラップって初日から入ってたんですかね。
土曜日の昼公演では、あまりクラップしてる人が居なかったようだけど、日曜日の夜公演には最初からクラップ入れてる人もいましたし。
前説でクラップの話もあったのですが、オープニングでは手拍子を求めるようなアクションも無かったような……。




○紋寿の多人数操り

どのようにやるのかと思いきや、竿にお面と服をぶら下げてる状態で出てきまして。
全部で6人居たと思うんですよ。
稽古中の事故で、紋三郎さんがリタイヤすることになったけど、単純に半分にしたところで、3人は操るわけで……。
結果的に足りなかったのでは……?

人数の話はともかく、紋寿は初めての舞台、いきなり担当が増やされるも、しっかりとやり切っていました。
人形は動けないので、笑子が自ら捕まりにいかなきゃいけないのが、良くも悪くも『からす座』の「まともじゃない」になるんでしょうね。




○愛子の高笑い

秋月家の人々とでも言うのでしょうか。
愛子も秋月家の配役で出演することになったわけですが、その時の演技が凄く生き生きしてたんですよね。
演技に熱が入っていて、千草の台本にないアドリブまで入れてましたし。
演技をする楽しみを知ったのか、日頃のストレスが相当溜まってたのかわかりませんけど。




○ジュリエの落下シーン

あの時のジュリエ……というか久仁彦は、かなり下の方まで顔を向けてますよね。
座席によっては顔がものすごく近くなるんですよ。
もう、顔をそむけたくなるくらい。
初見だと驚くくらいですけど、遠目だとそんな感じに見えないんでしょうね。

そして落下シーンといえば、紋寿の人形操りですよ。
落下を表現するところ、かなり頑張っていたと思いますよ。
ただ下に垂らして揺らしているだけでなく、最初は胸の辺りから徐々に下に落としていき、暗転すると同時にさっと捌ける。
下げすぎると捌ける時が大変だし、下げないと落ちている感じが出ない。
簡単には出来ないと思いますよ。




○観客に手を振るシーン

普段なら、舞台上から客席への絡みは無いのですが、今回は特別にそのようなシーンがありましたね。
さすがに複数回参加してる人はわかってくるのか、公演を追うごとに手を振る時間が長くなっていきましたね。
特に日曜日の昼公演では、すみれが千草に対して「静かにして! 今、本番中!!」と言い放つのは面白かったですし。
日曜日の夜公演は、千草だけでなくみどりも一緒に「捌けろー!!」って叫んでましたし。
だんだんとひどくなっていきましたね。
話によると千秋楽は全員出てきたとか……。
それはそれで観たかったですね。

こちらも手を振ってたのですが、おそらくそれで正解だと思うんですよね。
クラップを求めることもあるので、一部は観客参加型だったんだと思います。




○譲吉の乱入

梅之助と太郎に公演をぶち壊すように指示したのに、一向に動こうとしない。
業を煮やした譲吉が舞台に乱入するのですが、どうしても敏郎のアクロバットな動きに注目がいってしまいますね。
軽やかな身のこなし、今までのカラスカには無かったタイプですよね。
クロバットと殺陣の動きは、似て非なるものですし。
あれ、一緒なのか?

連れ去られた後、マチャコに転機が訪れます。
突然の出来事で、場を繋ぐために小噺をしてたマチャコですが、ついにネタが切れそうになった時、現れたのが銀二です。
それまで何度もボケをしても、マチャコに突っ込んでもらえませんでした。
しかしこの緊急時に、ついに念願のツッコミをいただきます。
そこで物語は、裏方へと話が移るわけですが、この2人の漫才が、マチャコにとって楽しかったのでしょうね。
それでも、ネタが無いと長くは続けられないものですが。




○公演の終盤

秋月が捕まってからからは、一気に公演はエンディングへと向かいます。
梅之助たちが立て続けに登場した後に、捕らえた譲吉と敏郎を捕らえた紋寿が現れてるのですが、この時の紋寿の決め顔が凄くかっこよくて好きですね。
びしっと決める紋寿が凛々しくて、紋三郎が居なくても、自信を持って自分の技を操っている姿が頼もしいし、何となく親目線で「紋寿も立派に成長したなぁ……」と思いました。

ここで、紋寿の呪縛を敏郎が振りほどくのですが、妹のみどりが楽しんでる姿が手に取るように解ったから、悪役らしく最後は鮮やかにやられていました。
この辺はホント、妹想いの敏郎ですよね。
最初は邪魔することしか考えてなかった敏郎ですが、みどりの様子から悔しいけど認めざるを得ない状況になり。
敏郎自身は本編上で謝罪することは無かったのですが、譲吉に騙されてたとでも思われたのでしょうか。
そんな小さいことは水に流してしまおうという方針だから、というのもあるかもしれませんね。




○『からす座』の公演

断片的ですが、実際の観客だったらどう思ったんだろう、と思いまして。
以前の『からす座』がどんなもんか、知ってる人にとっては「懐かしいなぁ」と思ってくれたのか。
内容は破天荒だけど、心から笑えたから良しとするのか。

10人いて、9人に嫌われても、1人に好かれたら、公演を行った甲斐がある。
というのは綺麗事で、実際には資金が無ければ公演が出来ないわけです。
いくら1人のためとはいえ、やはり資金が無ければ公演を行えませんし、ある程度の稼ぎが無ければ出演者も集まりません。次回公演も出来ません。
何だかんだ言っても、お金がカギを握っているわけです。次回公演開催には。
なので、好きなもの、続いてほしいものには、お金を出来る限り使うようにしています。
「お金を使う」というより「お金を出資する」という感覚ですね。
「次回公演を見たいから、今回の公演グッズを購入して資金を提供したい」と思うわけです。

もちろん、今回の公演が良いものだったから、という前提があって、次回公演を見たいと思うわけです。
『からす座』の公演と、『カラスカ』の公演、繋がる部分がありますよね。
人によっては「くだらない公演だ」と言うかもしれません。
ただそれは、観たくなければ観なければ良いだけの話で、楽しんでいる人たちの邪魔をして良いものではありません。
それに、こういう時代だからこそ、何も考えずに気軽に笑える場所があるって大切なことなんですよ。
仕事やプライベートでストレスが溜まった時、辛いことや苦しいことがあった時。
この公演を見れば、一瞬でも忘れることが出来る。溜まっていたものが、少しでも軽くなる。
そういう場所って、誰にとっても必要なものなんですよ。
それが演劇なのか、ライブなのか、スポーツ観戦なのか、それは人それぞれでいいんですよ。
何でもいいんです。
続いてほしいものには、積極的に(出来る限り)お金を使っていくことが大切だと思います。

そして、今回の『からす座』の話を通じて、『カラスカ』とはどんな劇団か、少し伝わってきた気がします。
確かに「くだらない」かもしれないけど、それでも良いと思うんですよ。
何も考えずに観られるのって気軽ですし、涙が出るほど笑うことって、日常生活であまり起きないですし。
そういう時間、これからも大切にしたいですね。




さて、そろそろ締めるとします。
次回公演も日程とタイトルが発表になりましたし、また次回公演を楽しみにしつつ、今回はこの辺で終わります。