未定

未定。すべてが未定。

人生は未定。何も定まってない方が、自由に生きる事が出来る。

このブログも未定。どのようになるかも分からない。

SFC修行している記事:https://901-sfc.hatenablog.jp/

2018年7月以前の記事(アメブロ):https://ameblo.jp/kumai-3







【感想】カラスカ公演『まんま、見ぃや!』~あらすじ編~

こちらはあらすじを中心に書いてあります。
各キャラクターに注目した『キャラクター編』、個人的に気になったことを書いた『個人の感想編』もあります。


まずは登場人物を簡単に紹介します。


○烏森笑子(からすもり えみこ)

父の作った劇団『からす座』を復活させるべく、動くことを決意した新『からす座』の座長。
と同時に、愛子の姉でもあります。
父が検閲官に捕まり、母が戦争で亡くなった後、父方のおじの松五郎のところで、愛子とともに育てられました。


○烏森愛子(からすもり あいこ)

笑子の妹で、姉と一緒に『からす座』の復活を目指すことを決めます。
しかし身体があまり強くなく、持病を持っていました。


○河内屋松五郎(かわちや まつごろう)

笑子と愛子を引き取った二人にとっての良いお財布……じゃなかった。二人にとっての良い呉服屋の主人です。
笑子の相談を受けて、『からす座』の立ち上げの資金を提供してくれる本当に良いお財布です。


○榎木銀二(えのき ぎんじ)

松五郎の使用人をしています。
笑子と愛子のことを『家族』とみているからか、この2人に対しての恋愛感情は無さそうでした。


○里村春樹(さとむら はるき)

元『からす座』の劇団員でした。
『からす座』の解散、戦場への出兵を経て、今は全ての物事から逃げるような癖がついてしまいました。
その理由は、戦時中のある出来事によるのですが……。


○源田久仁彦(げんだ くにひこ)

元陸軍兵士で、春樹とは同じ隊に所属したこともありました。
また、笑子と愛子とは近所付き合いの仲で、愛子は密かに久仁彦に恋していました。
戦時中、慰問公演に訪れたすみれに惚れたこともあり、新『からす座』の稽古へ毎日通うようになります。


○星宮すみれ(ほしみや すみれ)

元宝鹿歌劇団のスタアでした。
今は歌劇団を退団して、別の事をやっていたのですが、愛子の誘いもあって、新『からす座』への入団が決まります。


○嵐山梅之助(あらしやま うめのすけ)

すみれの付き人をやっていますが、家元は歌舞伎の名門であった嵐山家でした。
父親が2歳の時に亡くなり、そのまま嵐山家も消滅してしまいました。
母親の薬代の為に、秋月家の譲吉には逆らえないのでした。


○上田太郎(うえだ たろう)

ただのバカと紹介されていましたので、そのまま載せます
梅之助と同じ、すみれの付き人をやっています。
そして、両親の働き口の見返りに、秋月家に仕えていたのでした。


○秋月譲吉(あきづき じょうきち)

秋月家の当主です。富豪ではあるのですが、実際に何をやっているのかは語られませんでした。
息子である実近の事をとても大切にしていました。


○秋月実近(あきづき さねちか)

秋月家の息子です。典型的なお坊ちゃまです。
ある日、道端で笑子とすれ違った際に一目惚れをして、笑子に付きまとうようになります。


○安原美代(やすはら みよ)

どこかの田舎娘。「なまら」と言ってたから、恐らく北海道なのかもしれない。
秋月家に売り飛ばされてしまい、すみれたちから逃げている最中、笑子たちと出会い、話の流れで『からす座』へと入団します。


○月岡千草(つきおか ちぐさ)

座敷童子だったりおかめ納豆だったり多彩な才能を持つ演出家。
海外で得た知識などを元に、演出家としての実績を作りたく、『からす座』の協力をすることになります。


○小岩井みどり(こいわい みどり)

戦争で愛する人を失って以降、気持ちの整理がつかず、時には自分を追い詰めてしまいます。
街中で梅之助の歌舞伎の真似事を見て以来、少しずつ梅之助のこと、『からす座』の事が気になっていきます。


○小岩井敏郎(こいわい としろう)

みどりの兄で、検閲官をやっています。
みどりの愛する人が役者だったこともあり、みどりが演劇に関わることを真っ向から阻止します。
愛する人のことを思い出さないためにも……。


○ウィワンヤンク・シュンカ

みどりが自らの命を絶とうとしたのを止めた人物。これだけだとまともな人物っぽい。
インディアンとのことですが、なぜその場にいたのかは謎のまま……。


○ウグイスマチャコ

戦争前は『エノキンマチャコ』という2人漫才でツッコミを担当していました。
そのツッコミはまさに波のようでしたが、戦争で相方を喪って以降、ただのツッコミおばはんになっていました。


○市松紋三郎(いちまつ もんざぶろう)

人形使いの家系で、以前の『からす座』でもお世話になったことがある人物です。
この度、『からす座』が復活すると知って、何か協力できないかと名乗り出ました。


○市松紋寿(いちまつ もんじゅ

紋三郎の娘で、同じく人形使いです。
紋三郎から業は会得したものの、舞台経験がまだないという事で、父とともに『からす座』の舞台に立つことになります。


以上が今回の登場人物になります。
物語は笑子が『からす座』を復活させようとするところから始まります。


昭和23年のある日、笑子と愛子は松五郎に対して「『からす座』を復活させたい」と打ち明けます。
松五郎は最初、驚きましたが、自分も好きだった『からす座』が復活すること、娘のように育ててきた笑子と愛子の願いということで、快く出資することを申し出ます。
劇団を運営していくには、資金だけでなく役者や裏方などの人材も必要です。
そこで呼ばれたのが、演出家の月岡千草でした。
千草は演出家の勉強を、時には海外にまで行って学んできました。
ところが、女性ということや見た目から、どこも門前払いを受けていました。
今回の『からす座』での公演を成功させれば、千草としても演出家の実績が付きます。
序盤で、資金面と作品面の問題は大方解消されたことになります。

次に重要となるのが人材です。
笑子たちは町へ、劇団員募集のチラシを配りに出掛けます。
そこで偶然にも、以前の『からす座』の看板役者であった里村春樹を見掛けますが、何かトラブルに巻き込まれている様子でした。
その場から逃げ出した春樹を追うように、笑子は走り去っていきました。

春樹を見つけた笑子は、新しく始める『からす座』に参加してほしいと、声を掛けます。
そこへ現れたのが秋月実近と譲吉の親子でした。
春樹は秋月家に借金をしており、秋月家の用意した仕事から逃げ出していました。
強引に連れ戻そうとする譲吉でしたが、実近の提案により、借金の返済を待つことにします。
実近はこの時、笑子の事を一目見た瞬間から恋に落ちていました。
その恋を結ぼうと、笑子の立ち上げる『からす座』に参加する事を持ち掛けたのです。
正直、笑子は実近の事を「気持ち悪い」「生理的に無理」「吐き気がする」と思っていましたが、このままでは春樹が秋月家に連れ去られてしまいます。
苦渋の決断で、笑子は実近の劇団参加を認めることにしました。

一方、愛子たちは先ほどの騒ぎの渦中にいた人たちを追い掛けていました。
愛子たちが追い掛けたのは、星宮すみれたち秋月家の人間と、追われていた安原美代でした。
何とか追い付いたものの、愛子は持病があり、胸が苦しくなってしまいます。
その他、松五郎や銀二、千草も走ってきたからか、足を痛めてしまいます。
力ずくでも美代のことを連れ去ろうとする、すみれたちの前に現れたのが、笑子たちの近所に住んでいた源田久仁彦でした。
久仁彦の活躍、そして愛子のすみれに対するまっすぐな気持ちの前に、すみれたちは一度立ち去ります。
この時、愛子はすみれに対して、「『からす座』に参加してほしい」と告げますが、すみれはそのまま立ち去ってしまいます。
そして、劇団を立ち上げるという話を聞いた美代が、『からす座』に参加したいと申し出ます。
美代の住んでた田舎では、ぱっとしない男子が多かったので、せめて舞台上だけでもイイ男と恋に落ちたい、という理由でした。
訛りが強い上に下心しかない理由でしたが、現状は人手が足りてない状況ですので、下働きからという条件で加入することになりました。

実近たちから逃げるようにその場を離れた笑子たちですが、今度は小岩井みどりが包丁を持って自らを刺そうとする現場に遭遇してしまいます。
みどりの兄・敏郎は必死に妹を説得しますが、聞く耳を持ちません。
笑子たちも何とか止めようとしますが、失敗に終わってしまいます。
そこに現れたのは、謎のインディアンのウィワンヤンク・シュンカでした。
シュンカは軽やかな身のこなしを見せ、吹き矢でみどりを眠らせます。
なぜこのようなことになったのか、敏郎は経緯を説明します。
元気づけようと、笑子は『からす座』の事を紹介しますが、敏郎は強く拒否をします。
みどりと敏郎が去り、残ったのは通りすがりのツッコミおばはんとシュンカでした。
ツッコミおばはん……マチャコはすぐに去りましたが、シュンカはその場に残っていました。
なぜならシュンカは、『からす座』に入りたいと言ってきたのです。
「シュンカを入れてくれるか、それとも殺すか……」という両極端な選択肢が提示され、シュンカも劇団に加入する事が決まりました。

場面が変わり、梅之助の話になります。
梅之助は歌舞伎で有名な嵐山家の人間でした。
道端でつい、歌舞伎の口上を演じている姿を、通り掛かったみどりに見られてしまいました。
最初は戸惑っていた梅之助ですが、みどりが「梅之助さんが舞台で演じているところを見てみたい」と告げてきます。
近くにいた太郎によると、ここ最近みどりが「何かをしたい」と言った事は無かったそうです。
もしかしたら、梅之助の舞台を見れば、みどりが元気になるかもしれない。
そう言う太郎の後押しもあり、梅之助も『からす座』に加わることになります。

途中で登場したツッコミおばはん……マチャコは、かつて『エノキンマチャコ』として漫才をしていました。
しかし、相方のエノキンは戦争で喪ってしまいます。
それからというもの、マチャコは相方を取らず、のらりくらりと生活していました。
そんなマチャコに、『からす座』へ来ないかというオファーを、笑子が行います。
ツッコミどころを探している、そんなツッコミの受け皿になりたい。
マチャコのツッコミが刀ならば、『からす座』はその刀を収める鞘になる。
その言葉を受けて、マチャコも『からす座』の一員となります。

こうして、『からす座』の公演メンバーが揃っていったのでした。
最後に現れたのが、チラシを見てきたという市松紋三郎と紋寿の親子です。
紋三郎は以前の『からす座』でもお世話になっていて、再び立ち上げとなるなら協力しようと思って願い出ました。
同時に、娘の紋寿にも舞台経験を積ませてあげたいという親心もあり、これで役者はそれなりに集まりました。
まずは春樹とすみれ、紋三郎と紋寿。
笑子に良いところ見せたい実近。
イイ男とのラブシーンをやりたい美代。
みどりの為に演じる事を決めた梅之助と、なぜかついてきた太郎。
話の流れで入ってしまったシュンカ。
そして、通りすがりのツッコミおばはんことマチャコ、マチャコに憧れを抱いていた銀二も加わります。
さらに、すみれの要望により、相手役は愛子が務める事になりました。
また、音響や照明などの裏方は、久仁彦の陸軍時代の知り合いが引き受けてくれることが決まりました。

『からす座』の稽古が始まると、様々な問題があり、思うようにうまくいきません。
笑子とのラブシーンがやりたいがために、出番でもないのに勝手に出てきてしまう実近。
男役のはずが、急に男役が抜けてしまうすみれ。
稽古にほとんど参加しない春樹。
さらに、『からす座』の邪魔をしようと、譲吉が検閲官である敏郎や、梅之助、太郎を使って動いてきます。

春樹は心の問題を抱えていました。
探しに来た久仁彦に、春樹の所属していた部隊が、春樹を残して全滅したという話をします。
それ以来、全ての事から逃げ出してしまうようになってしまった、と……。
久仁彦だけでなく、心配になった笑子とシュンカも現れますが、そこへやってきたのが笑子を追ってきた実近でした。
春樹が走り去っていくのを、笑子とシュンカが追い掛けます。
と同時に、美代が現れて、すみれが辞める事を告げに来ました。
その一言を聞いた久仁彦は、すみれのもとへと向かいます。
残ったのは実近と美代。この2人は自分の欲望のままに『からす座』に入った者同士ということもあって、ここから協力関係を結びます。

すみれの問題は、好きな女子が目の前に来ると、自分だけのものにしたいといった気持ちになってしまうという事でした。
宝鹿の時も、男役を演じていたはずなのに、好きな女子が目の前に来ると、急に乙女になってしまう。
かといって、娘役ではなく、男役として好きな女子と演技がしたい。
ただ、その問題は解決できないまま来てしまった事で、『からす座』に迷惑を掛けてしまう。
だから辞める事を決めた、とすみれは言いました。
千草がすみれの話を聞いたところで、愛子と久仁彦が現れます。
愛子は「自分のせいで、すみれさんを苦しめてしまっている」と思っていましたが、すみれがとっさの嘘で女子が苦手ということを告げます。
だから、愛子のせいではなく、自分自身の理由で離れることを告げますが、久仁彦は必死に留まるよう、すみれに説得します。
その様子を見ていた愛子は、自分が抱いている久仁彦への感情を抑えて、すみれの相手役を久仁彦にするように告げます。
千草は愛子の久仁彦への気持ちに気付いていましたが、愛子はそれでも良いと言います。

色んな人が悩み、迷っているところで、烏森姉妹の会話を耳にします。
その内容は、妹の愛子の身体が長くは持たないということでした。
本人はまだ大丈夫という感じで、発作なども頻繁には起きていません。
しかし、徐々に病は身体をむしばんでいきます。
残り少ないかもしれない愛子の人生。
その愛子に『からす座』の舞台をもう一度見せたい。
笑子の思いは、そこにありました。

それぞれの問題点を陰で聞いていた人物がいます。
それがみどりです。
みどりは、梅之助の舞台が見られるように、譲吉に相談をしていたのです。
すると譲吉が言葉巧みにみどりを操り、他に問題点が無いか、探りを入れるように指示を受けます。
そして、みどりは見事に様々な情報を仕入れ、譲吉に相談を持ち掛けます。
その中で、メイン役者となる春樹とすみれを『からす座』から遠ざけようと動きます。
ところが、春樹はシュンカの言葉が、すみれに至っては「女子が苦手」という真逆の情報を利用したため、逆効果になってしまいます。

しかし、それだけで引き下がる譲吉ではありません。
譲吉は検閲官の敏郎と手を組んで、千草の演出に難癖をつけてきます。
通常の武器は危険なイメージなので、ふわふわしたものを利用すること。
癒しの要素が欲しいので、動物を登場させること。
口調が怖いので、語尾は「ワン」や「ニャン」、赤ちゃん言葉にすること。
終戦直後ということで、アメリカ人の英雄を登場させること。
これらの条件を受け入れられなければ、公演は認められないと告げられました。
この条件を全て呑むと、まともな作品にはなりませんが、そこは『からす座』です。
昔から、『からす座』はまともじゃないから問題ないと、春樹が断言します。

そして迎えた公演当日。
中盤までは大きなトラブルも無く、順調に進んでいきます。
ところが、実近が台本と違うことに出ます。
台本では愛しい人を救い出すというシーンでしたが、美代と協力して「王子のキスで呪いを解く」という話に持って行ってしまったのです。
こうすることで、王子役の笑子は話の流れで、実近とキスをしなければなりません。
迫りくる実近のもとに現れたのは、護衛役の春樹でした。
春樹は「今のは偽物だ」と断言して、話を元に戻します。

しかし、最大の敵は乱入してきた譲吉と敏郎でした。
台本にないキャラクターの登場で、舞台上は大騒ぎです。
ひとまず譲吉が、今回の事件の親玉という事にして、行方を捜すことにします。
その間、マチャコと銀二がうまいこと繋いでいましたが、さすがに限界となった時、現れたのは梅之助たちでした。
梅之助たちが歌舞伎で魅了し、譲吉と敏郎を捕らえた紋寿が登場して、舞台はクライマックスへと向かいます。

結局、『からす座』の公演は賛否両論あったものの、無事に終演を迎える事が出来ました。
公演後は、それぞれの人物に変化があらわれます。
マチャコはピンチの時に一緒に場を繋いだ銀二を、新たな相方として迎え入れることにしました。
みどりはすっかり元気になり、また『からす座』の公演を見に行きたいと言っていました。
さらに、一方的に思いを寄せていた太郎の気持ちに気付いたみどりは、これから太郎を応援していくことを公言しました。
兄の敏郎は最初、みどりを舞台から遠ざけようとしていましたが、元気になったみどりを見て、考えを改めました。
実近は笑子を奪うことはできず、美代もかっこいいイケメンとのシーンという夢も叶わず。
ただ、共謀したからか、お互いに意識をしあうようになり、付き合うようになったようです。
そして、すみれ、愛子、久仁彦、笑子、春樹といったメンバーは、次回公演に向けて動き出します。


といった感じで『まんま、見ぃや!』は幕引きとなりました。

ここからは、『キャラクター編』に続きます。